スーツを着た悪魔【完結】
平田との会話の合間に、ちらちらとパソコンのディスプレイを見つめていると――
「あら、社長!」
奥で仕事をしていたはずの阿部が驚いたように声をあげた。
社長……?
顔を上げると、ドアをあけて深青が入ってくるところだった。
紺のストライプのスーツによく磨かれた靴。
ビジネス用に髪を整えた彼は、どこから見ても切れるビジネスマン風だ。
彼は入ってきたなり、入口近くの席に座ったまゆと平田を発見し、眉をひそめる。
「あ、あの……」
「お疲れ様ですっ!」
平田はビシッと背筋を伸ばすと、サッとその場を離れる。
とっさに立ち上がったまゆだけれど、来ないと聞いていたから、何も考えてなかった。