スーツを着た悪魔【完結】

「……はい」



こっくりとうなずくまゆ。



「場所はブルーヘブンホテルの24階にある『La violette cristallisee』だ」

「何時ですか?」

「――7時だな」

「わかりました。着替えてから行きます」



老舗ホテルのフレンチレストランで食事……。

豪徳寺兄妹が二人が行くようなレストランがどんなものかはわからないが、きっと格式があるところなんだろう。

今着ている服はビジネス用のジャケットとシャツ、スカートだから、もちろん着替えが必要なのは理解できる。



「ああ……そもそもお前、ちゃんとした服を持ってるのか? 俺が用意してやろうか」



深青は窓の外を眺めながら、なにげなく口にした。

手取りが15万ちょっとだというまゆに、今まで三ツ星レストランに行く機会があったとは思えないし、ちゃんとした、ドレスコードにあう服を持っているとも思えなかった。


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