スーツを着た悪魔【完結】
そのまま立ち去ろうとするまゆを呼び止める。
「なんですか?」
「未散から連絡があった」
「え?」
「今夜、一緒に食事をとりたいらしい」
「えっ!? 一緒に、食事!?」
「ああ」
まゆ以上に、深青もまた妹の提案に相当うんざりしていた。
が、断る理由も思いつかなかった。
「――わかりました」
しぶしぶ、うなずくまゆ。
腑に落ちない気もするが、仕方ない。たとえその場しのぎのお芝居だったとはいえ、そのお芝居の観客は未散なのだ。
彼女を満足させるために私はこうやって仕事を与えてもらって、お給料を貰うのだし。我慢、我慢……。
「ご一緒します」
ペコッと頭を下げて下がろうとすると、
「着替えて来いよ」
と、深青。