スーツを着た悪魔【完結】
どうして私、あんなに怒っちゃったんだろう……。
自宅のアパートに戻り、シャワーを浴びながらまゆは考えていた。
確かに彼の発言は失礼だったかもしれないけど、あそこまで腹を立てる必要はなかったと思う。
そもそも彼と私は住む世界が違うのだ。ちゃんとした服を持っていないと思われたっておかしくない。
おかしくないのに……
彼にそう思われるのは、嫌だった。
だったら、どう思われたいかと思うと、よくわからないんだけど……。
馬鹿みたい。こういうの、独り相撲っていうんだ。
じんわりと浮かぶ涙をシャワーで流すために、コックを全開にする。
こんなモヤモヤする気持ち、全部流れてしまえばいい。
全部。
―――――……