モカブラウンの鍵【完結】
「なんか騒がしい姉ですみません。くだらないことかよく言うんで、そういうのは適当に無視して構いませんから」

佐伯さんは笑いながら「明るくていいお姉さんじゃない。それに弟思いだし。あいう屈託のない人、私はすごく好きよ」と言った。


よく言えば明るいだけど、基本はうるさい人だと思う、俺は。

でも今の佐伯さんには、ああいう人がいた方が、気が楽かもしれない。


着替えてきた姉ちゃんが「お腹空いた」と連呼しているため、少し早目の夕飯を作ることにした。


姉のために作っていると思うと腹が立つけど、佐伯さんのためと思うと頑張って作ってしまう俺もいた。

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