モカブラウンの鍵【完結】
「杉山、さっきから何を熱心に見てるの?」


「ここのホテルの案内を。スウィートって豪華だなと思って」

案内を佐伯さんに見せた。


「本当だ。すごいわね。でも、最上階だから眺めはいいかも。近くにある遊園地の観覧車とか見えそうだし」

「そうですね。人生に一度くらいスウィートルームって、泊まってみたくありませんか?」

「男の人も、そういうこと思うんだ」

「まあ、豪華な気分を味わいたいだけですよ」

「そうね。スウィートルームに泊まりたい理由なんて、そんな感じよね」


佐伯さんは少し微笑んで、残り1つのサンドイッチを口に運んだ。


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