モカブラウンの鍵【完結】
チェックアウトを済ませ、ホテルを出た。

土曜日の朝は平日に比べると人が少ない。


俺はホテルの前で別れるつもりだったけれど、佐伯さんが駅まで送ると言い張った。

目の前にある駅へ、2人で並んで歩く。



これと言って特に話す訳でもなく、ただ歩いた。


不思議なことに、この静かな時間が心地よく感じる。


何もなくても、一晩、一緒にいれば、こういう空気感が生まれるのかもしれない。

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