モカブラウンの鍵【完結】
「いつまでこうしているつもり?」

「あと5分くらい、こうしていたいです」

「ねえ、これからも敬語で話すの?」

「じゃあ、やめた」

「杉山って、単純」


そうだよ。単純だよ。

だからこんなに嬉しいんだ。


「いつまで名字で呼ぶの? 奈央美」


顔を覗き込むと、頬が少し赤くなっている。


「す、りょ、涼太」

「そんなに緊張しなくていいじゃない? セレモニーパーティのときは散々、呼んでたし」

「それとこれ……」


言葉を遮るように唇を重ねた。

佐伯さん、奈央美の唇は柔らかくて温かい。

離したくないと思ってしまう。

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