モカブラウンの鍵【完結】
心にもないこと言葉が口からスラスラと出る。

頭では「止めろ」と言っているのに、止められない。

ガンガンと警告音が響く。

涙目だった奈央美の目から涙が溢れ出す。


「涼太、そんな風に思ってたの? 年のことを気にしているのは私だけだと思ってた。でも年のこと気にしているのは涼太の方だね。きっと、私がそれを感じ取って、年のこと気にしちゃってたのかも」

「何だよ、それ。全部、俺のせいか? 年のこと気にすることも、元彼だって言えなかったことも。もういいよ、帰る」

ソファに置いてあったコートやカバンを持って、泣いている奈央美の横を通り過ぎる。

そして玄関のドアを勢いよく閉めた。

エレベータに乗り、その場にしゃがみこんだ。


何やってんだよ、俺。

自分が言った言葉が頭の中でぐるぐると回る。

その間を縫って、奈央美の泣き顔がチラついた。

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