モカブラウンの鍵【完結】
「違いますよ。節約。自分で作ったんですよ」

「寂しい男だな。弁当作ってくれる彼女くらいみつけろよ。それなりにモテるだろ。その顔なら」

「別にモテませんよ。それに焦って彼女作って、結婚とか迫られても困りますから」

「その言い分だと、過去に結婚迫られたんだな」

「何でもいいじゃないですか。お昼食べる時間がなくなりますよ」

「今度、飲みに連れて行ってやるよ」

松下さんは企みのある笑いを残して、オフィスを出て行った。


怖っ!


俺の過去の恋愛遍歴を根掘り葉掘り聞かれる。

営業マンなだけあって、誘導尋問も上手い。

そのくせ、自分のことは上手く煙に捲くんだよな。

当分は逃げよう。

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