モカブラウンの鍵【完結】
「博史、そんなにからかっちゃダメでしょ。涼太さん、1杯どう?」と、お義母さんはビール瓶を両手に持って言ってきた。

「あの、車で来ているので」

「涼太君、泊まっていけばいいじゃないか。明日は仕事、休みだろ?」

そんな予定のなかった俺はちょっとびっくりした。

でも、断る理由もないしな。

「じゃあ、お言葉に甘えてそうさせていただきます」

グラスをお義母さんの前に差し出すと、ビールがなみなみと注がれた。

そのあとお義父さんのグラスにも注がれる。


「博史は?」

「いや、僕も車だし」

「博史も晴香ちゃんも泊まっていけば?」

「そんなに泊まれるほど、部屋がないんじゃない?」と博史さんが言った。

「大丈夫よ。博史と涼太さん、奈央美と晴香ちゃんが一緒の部屋で寝ればいいじゃない。あ、婚約してるんだから、逆でもいいのかしら。それは4人で決めて」

お義母さんは楽しそうに言い、博史さんのコップにビールを注いだ。

しょうがないなという顔をしながら、博史さんはビールを飲む。

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