モカブラウンの鍵【完結】
「じゃあ、そうするよ。あ、近くにコンビニあったよな?」

「うん。公園の手前に」

「俺、買い物に行ってくる。何か買ってくるものとかある?」

「とくにないから大丈夫」と言って、奈央美がクスクス笑った。

「何、笑ってるんだよ」

「こういう会話、前にもしたなと思って」

「こんな会話、いつもしてるだろ?」

「私が酔っ払って涼太が初めて介抱してくれたとき」


それでだいたいのことはわかった。

慰労会の次の日の朝、朝食の買い出しに行った時の電話だ。


「ああ。確かにこんな会話だったな。じゃあ、コーヒー牛乳買ってこようか?」

「それは明日、帰るときに買ってほしいかも」

「了解。じゃあ、ちょっと行ってくる」

「いってらっしゃい」


お義母さんにコンビニへ行くことを伝え、街灯が灯る夜道を歩く。

来たときは緊張をしていて、あまり周りの景色が目に入らなかった。

今は落ち着いて歩くことができる。

一軒家が立ち並ぶ住宅街。コンビニから溢れる光がすぐ先に見えてきた。

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