モカブラウンの鍵【完結】
「ただ、1つ問題点があるのよね。ジュエリーショップって、何で全てが見渡せると思う?」


やっぱり、そこが問題か。


「多分、防犯ですよね。それと多くの商品を見比べやすくするため」


「そう。ジュエリーは高価なものだから、セキュリティは重要なのよね。

ディスプレイ用のケースの背を高くするってことは、死角が増える。

そうすると防犯カメラの台数だって増えてしまう。

ここはアイディアを出し合っていきましょう」


「はい」


「もうこんな時間ね。じゃあ、杉山、お昼行くよ」

「あっ、はい」


佐伯さんはカバンからサイフを取り出すと、オフィスのドアの方へ行ってしまった。


パソコンの電源を落とし、佐伯さんの後を付いて行く。

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