臆病な恋心~オフィスで甘く守られて~
お互いの気持ちを確認しあうが、不安は消えない。


やっぱりいつでも会えないという距離は心を乱す。


行って欲しくない。
でも、そんなわがままは言えない。

ついて行きたい。
でも、仕事あるから無理。


麻由子は航平に寄り添ったまま、何かいい方法はないだろうかと考える。


どんなに考えても航平が遠くに行ってしまうという事実は変わらない。


「麻由子、何考えている?」


航平は黙って一点を見つめている麻由子の顔を覗き込む。


「ん…、ずっとそばにいたいなと思って」


それを聞いた航平は切ない顔をした。

その顔を見た麻由子は、わがままなことを言ったと後悔する。

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