臆病な恋心~オフィスで甘く守られて~
きっと困らせてしまった。理解の出来ない女だと思われ、呆れたかもしれない。さっきよりももっと不安な顔になって、俯く。


「麻由子、顔を上げて。こっちを見て」


抱き締めていた腕を離して、麻由子の横に移動した航平は優しく頬を触る。その手を温もりを感じた麻由子の目からは涙が零れた。

その涙を航平が拭う。


「俺も同じ気持ちだよ。ずっとそばにいたい。離れたくない」


航平は不安になっている麻由子を抱き締めて、キスをした。何度も何度もキスを繰り返す。


その日の夜はいつもよりずっと丁寧にずっと優しく麻由子を抱いた。

少しでも不安が取り除けるように。
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