俺が教えてやるよ。


「…よく見てるね」


「え?」


「あたしはこんな自分が嫌いだった」


――グシャッ


頼どころがない手がテストの紙を捉えた


目の前で丸まった紙に視線を落とす



「……言いたいことあるなら、聞くけど」


急に穏やかになった声に顔を上げると、優しい瞳と目があった


「慰めてくれてる、とか?」


「まぁそんなとこ」


「やるねぇ隣の住人!」


「…隣の住人?」


―――はっ!?

ヤバいまた口に出ちゃった

隣の住人ってのは名前がわからないからあたしが勝手に呼んでるやつで…


「飛鳥(アスカ)ね」


「え?」


「名前」


「あ、飛鳥くん」


「おー」


呼ぶと飛鳥くんが微笑んだ


なんだ、怒られるかと思った




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