貴方を愛した
少し離れて、あたしを抱っこしたまま座る

あたし「雅樹?」

雅樹「うん…」

あたし「疲れた?」

雅樹「全然」

あたし「なんか元気ない?」

雅樹「彼女が入院してるのに

元気なヤツ いねえよ」

あたし「ごめん」

雅樹「いや すまん

問題は ソコじゃない」

あたし「え?」

雅樹「ごめん 結羽奈

来週から お泊まりが できなくなる…

夜はまだ怖いか?」

あたし「そだね 怖い…

でも 今は 『目が覚めなかったら

どうしよう』って思う

前は 発作をおこすのが怖かった…

今は 死ぬのが怖い…

雅樹が悲しむから…だから…怖い」

ふっと笑って

雅樹「そうだな 悲しいを通り越して

あの世まで

結羽奈を取り返しに行くだろうな」

あたし「?」

雅樹「…結羽奈

少し 寝てい?」

あたし「どうぞ」

雅樹「俺から

離れるなよ?」

あたし「うん」

雅樹がすうっと

寝息をたてる
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