大嫌いなバレンタイン
もっとちゃんと祝ってあげれば良かった。
今まで、いつもすねてばっかりだった2月14日。
すねたって、差が埋まるわけじゃないのに。
たとえ大嫌いな半年の差があろうとも、今日は雪乃が生まれてくれた大切な日。
本当にあたしはバカだったんだな……なんて。
考えて。
雪乃に申し訳なくて、また泣きそうになったり……。
「でもさ、大嫌いなバレンタインでも、ひとつだけ嬉しいと思えること、あるんだよね」
「……なに、それ?」
ポンポンと雪乃の大きな手のひらが、あたしの頭に乗っかった。