アホすぎる俺と男前すぎる彼女との愛の奇蹟
空気を
誰か空気を俺にください
なんなんだあれは
シーンって
いやいやシー…ンって
俺の新しいクラスメイトはサイボーグなんですか
そうなんですか
「あ゛お゛いう゛えぇ゛っ?!!」
思わず宇宙人語が飛び出してしまうのも不可抗力である。
転校初日にして早くも挫けそうになりながら走り続け、ふとわれに返り足を止めると目の前にグラウンドが広がっていた。
いつのまにか外に出てしまっていたらしい。
荒い息を整えながら辺りを見渡すが人の気配はない。
グラウンドのすぐ反対側にある建物は体育館だろうか。
それにしては他の建物よりも古びていて貧相にみえる。
自分以外の誰もいないという事で安心感が生まれ、靴履き替えてないやぁ。なんて一人ボヤキながら体育館らしい建物と倉庫と思われるコンクリートの塊の間に身を隠した。
建物の壁に寄りかかると背中に突き刺さるような冷たさを感じた。