ビー玉
祖母が慰めてくれても、


けんちゃんが遊びに来ても、


あたしは全然笑えなかった。








ただ部屋の隅でめそめそと泣いていた。





















あたしの不注意で大切なビー玉は割れてしまった。





小さな金魚はビー玉の外の世界に放り出されて、

呆気なく死んでしまった。






その赤い体を、地面に横たえて。

















さめざめと泣くあたしにけんちゃんは何も言ってはこなかった。









ただ黙って、あたしの隣りに座っていてくれた。







そのまぁるい瞳は、優しかった。










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