ビー玉
“恋”と呼ぶにはあまりにも幼すぎたあたしの小さな初恋は






気付かないうちにゆっくりと、



長い時を越えて動き始めていた。















6月の夜






その日の練習内容、欠席者、気付いたことなどを細かく日誌に書き付けたあたしが最後に部室を出ると






そこにはけんちゃんが立っていた。









いつかのように腕を組んで、廊下の白い壁にもたれかかりながら。








一瞬だけ驚いたあと、





「お疲れ様です」


と頭を下げると、




「おぅ」




と返事をしたけんちゃんがあたしの前までゆっくり歩いてきた。








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