彼のいたずら
私を真ん中にして、右に隼人、左に勇太。寝静まったのを確認して寝返りを打つ。

学生時代、ずっと好きだったのは隼人の方。
私が落ち込んでいると、色んなところに振りまわして嫌なことを忘れさせてくれる勇太と、心をそっと寄り合わせてさりげなくフォローしてくれる隼人。どっちも大切な人なのに、私を惹き付けるのは隼人だった。

同じ顔、同じ声。顎の左下にある小さな黒子も同じ。
勇太のことは嫌いじゃない。隣にいるのが当然で違和感ない。好きか嫌いかで言えば、勿論好きに決まってる。

「――ちょっ? 勇太?」

後ろから伸びてきた腕にどきりとして、小声を出して肩越しに見る。私を抱き締めて髪に顔を埋めた勇太は、子供に言うように「しー!」と囁く。

「あいつは一度寝たら起きないよ」

頬に添えられた掌に振り返れば、唇が重なった。入り込んできた舌が咥内を味わうように、丹念に丁寧に動き回る。

胸に落ちる彼の頭ごと抱き締めて、はっとした。
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