TABOO 短編集
驚いて見ると、高瀬君は私の指に嵌まった指輪をそっと撫でた。
「だから、刺激を求めてる」
「え?」
彼の目には普段の明朗さとは種類の異なる光が浮かんでいて、
「真央さん、俺のカオ好きでしょ」
胸が震えた。
「よくこっち見てますよね。隠してたつもりかもしんないけど視線ばればれ」
緩んだ口元に手を持っていかれ、柔らかな唇を押し付けられて息が詰まった。
「実は俺も、真央さんドストライク」
思いのほか強く掴まれた手はほどけない。