TABOO 短編集


驚いて見ると、高瀬君は私の指に嵌まった指輪をそっと撫でた。

「だから、刺激を求めてる」

「え?」

彼の目には普段の明朗さとは種類の異なる光が浮かんでいて、

「真央さん、俺のカオ好きでしょ」

胸が震えた。

「よくこっち見てますよね。隠してたつもりかもしんないけど視線ばればれ」

緩んだ口元に手を持っていかれ、柔らかな唇を押し付けられて息が詰まった。

「実は俺も、真央さんドストライク」

思いのほか強く掴まれた手はほどけない。

< 4 / 31 >

この作品をシェア

pagetop