ぽるかLIVING
「ふぅっいい気持ちだ~!

 やっぱ露天風呂はいいねえ。」

早速やってきた大露天風呂。

まだ時間も早いとあって貸し切りだ。

「これで酒でもあったら言うことないな」


からからっ

誰か入ってきたと思ったら、

わが妻、音々。

「あ、こらッこっち男湯だぞ!」

「これが欲しいんじゃないかと思って、持ってきたんです。」


「おっ、さすが良くわかってるな、

 グッジョブだ」


桶に徳利2本とおちょこ2つ。

 あてに塩豆がセットされている。

「女将さんのサービスですって」


気がきくな女将さすがだぜ。


「どうぞ」

俺の手にお猪口を持たせると、

てなれた感じでなみなみと注いだ。

「じゃ、後でまた来ますからね」

ふふふ

と、意味深な笑いを残し、また引き戸から出て行った。

なんだ、

背中でも流してくれるかと思ったけど、

そこまでのサービスは無いか。

最近ご無沙汰だったし、

ちょっと期待してしまったが、

しょうがないな、

こぶつきだしな。

ちょっとがっかりしながらも女将のいきな計らいに感謝しつつ、

手酌で更に空になったお猪口に酒を注ぎグイッとあおった。


「ああっ1人でずるいです!

 後でって言ったじゃないですか、

 待っててくれたっていいのに~」

「は?」

さっき顔を出した音々が駆け寄ってくる。

一糸まとわぬ姿で!

「お前!だからここは男湯だから!」

「今日は女性の団体さんとカップル1組だけだから、

 1時間貸し切りにしてくれたんです。」


「だからってお前、前位隠せっていつも言ってるだろう?」

「八起さん細かいんだから」

プ~っと口をとがらせながら、俺から徳利をふんだくると、

お猪口に注いで食いっと飲みほした。

全く、

相変わらず世間ずれしてないやつだ。

「ナナはどうした?」

「おかみさんが見ていてくれるから、

 二人でどうぞって言ってくれたんです。」

「ずうずうしいなお前」

「折角の御好意お断りすることもないかと思って、

 それに、

 八起さんだけ楽しもうなんてずるいです」


そういうともう一杯グイッと飲みほした。


おいおい飲みすぎじゃないのか?

ほろ酔いで、白い肌がほんのりピンク色に染まって

湯気が更に情緒をかもし出す。

見なれたはずのわが妻の裸体が、

どうにも艶めかしくて、

俺の野生のトラがうずき出す。

「音々……じゃ、二人っきりで温泉を楽しむことにしよう」

「え、?それはどういう?」

俺は音々の手からお猪口と徳利を奪うと、

桶の中に片づけた

さすがの音々も危険を感じたのか、

じりじりと後ずさりした、

「や、八起さん??」

「大人の楽しみっと言ったら、酒のほかにもあるって、

 判ってるよな?」

瀧のようになっている壁に追い込み、

右手でドンと岩に手をついた。

「や、八起さんここ、うちじゃないからこんなのダメで……」

その先は有無を言わせないように唇でふさいでやった。


折角の貸切風呂

ちょっとくらいは許されますよね?

女将さん折角の御好意、

ありがたく頂きます!


「八起行きま~す!」


「きゃんっ」


皆さま

これから起こるであろう、あんなことや、こんなことは

あなたの御想像にお任せします。

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