アウトサイダー

浩一(こういち)という名の彼の事を、私はコウさんと呼んだ。

そしてコウさんは、それでもなにも言わなかった。


コウさんは、本当に優しかった。
だけど、その優しさの裏になにかあるかもしれないと思ってしまう私は、最低な人間だと、自分で思った。


コウさんとの3人の生活が始まっても、私の心は少しも晴れることはなかった。
だって……一番大切なものを失くしてしまったから。


シェルターから出た今、私たちに後ろ指をさす人は誰もいない。

だけど、あの頃の方が良かった。
太陽が、隣にいてくれたときの、あの頃の方が。



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