アウトサイダー

そのまま丁度やってきた電車に乗り込んで、家へと向かった。

どこをどうやって帰ったのか覚えていないほど、頭の中が太陽でいっぱいになってしまっていた。


あの古ぼけたアパートに思い切って会いに行ったとき、彼がいなくなっていてどれだけショックだったか。

その彼に、まさかこうして会えるなんて。



彬さんが海外出張から帰ってくるのは、明日の午後だ。
それまでに、気持ちの整理を――。


テーブルの上には、太陽がくれた名刺とキーホルダー。
私は、その番号を携帯に登録した。
“篠原”とだけ書いて。


建築士になった彼は、いつか自分の家を造るだろう。
その家に住むのは……誰と?


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