アウトサイダー
けれど、時計の針が7時を差した時、私は思わず「あっ」と小さな声をあげてしまった。
「紗知、約束でもあるのか?」
「いえ……」
「そうか。でも帰れ。さっきから少しも進んでないぞ?」
永沢さんに指摘されてデスクの上を見渡して驚く。
さっき、永沢さんが帰ってきたときとさほど変わらない書類が、そこに散らばっていた。
私は、これ以上永沢さんに追及されないように、慌てて事務所を出た。
時計を見ると、7時30分。
もう暗くなってしまった道は、昼間とは違ってひどく寂しく思える。
だけど駅が近づくと途端に明るく照らされるアスファルトの道は、突然多くの人の足で埋め尽くされる。