アウトサイダー
「永沢さん、私……」
一度車に乗り込んだけれど、もういたたまれなくなって再び降りる。
「私……戻ります。ごめんなさい」
小さく頭を下げて、彬さんの方へ歩き始めた私の手首をギュッと握った永沢さんは、もう一度私の前に立ちふさがった。
そして、小さく首を振る。
「これが典型的なDVのパターンだ。
こうやって戻ると、また同じことが繰り返される。
紗知、お前はそれを痛いほどわかっているはずだ」
「いいえ、彬さんはまだ一度しか」
「その一度が問題だ。
紗知、お前の気持ちがここにない以上、彼も止められないだろう」