アウトサイダー
「紗知。千島くんと出会ったとき、まだ太陽くんに再会していなかったんでしょ?
それに今だって、付き合っているわけじゃないんでしょ?」
「――うん。でも彬さんは、永沢さんと付き合ってるって思ってる」
私の言葉に母は小さく頷く。
「それも聞いたわ。
だけど、永沢さんがそうしてくれなければ、多分千島くんはもっと強引にあなたとの結婚を進めたはずよ。
永沢さんね、そうでもして千島くんを引き留めておかなければ、紗知は自分を犠牲にして千島くんの言うままに結婚を選んだ気がするって。
そうやって千島くんを引き留めておいて、その間に弁護士さんと相談してくれていたの。
そして、紗知が千島くんのところに戻った次の日、『婚姻届の不受理申出書』を出したと千島くんに警告した」
「不受理申出書?」
聞いたこともない言葉に首をかしげる。