アウトサイダー
「私としてはなかなかの出来だと思っているのですが、紗知さんがいない以上、しばらくストップしていまして」
「そんな、進めてくだされば」
だって私は、建築の仕事を続けられるかどうかさえわからないのに。
「いや、紗知と一緒じゃないとできないというやつがいてね」
えっ……。
「紗知は病気療養中だと言ったら、真っ青な顔をしていたよ」
「太陽、が?」
「あぁ」
久しぶりに感じる太陽の温もり。
この図面から彼の匂いがする気がする。
「紗知、太陽くんとこんな……」
私たちのどん底の時代を知っている母が絶句するのも無理はない。
「それで、篠川くんが描いたイメージパースをいくつか持ってきた。
紗知ももっと描いてみてくれないか」
「私?」
「あぁ、うちの事務所の期待のホープなんだ。
自宅でできることだってたくさんあるぞ。紗知、手書き得意だろ」
コンピューターで製図するCADが苦手な私は、むしろ手書きの方が……。