アウトサイダー

「私……彬さん――あの時スーパーであったあの人に……」

「まさか、お前!」


突然上半身を起こして、彼は私をじっと見つめる。


「恥ずかしいから、服、着るね?」


こんなにも冷静に彬さんのことを話せるのは、太陽なら絶対に守ってくれると確信があるからだ。


散らばった服をかき集めて、彼に背を向けて下着をつけていく。
彼もまた、私の後ろでそうしているようだ。

なんだか滑稽な光景だったけれど、それすら今の私にはうれしくて。


「紗知、きちんと聞かせて?」


私が振り向くと、もう彼は冷静な大人の顔をしている。

だけど、少しイライラしているのはわかる。
彼は不機嫌な時は、目を泳がせる癖があるから。

それはあの頃と変わらない。


< 456 / 576 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop