アウトサイダー

時間をかけて完成したポテトグラタンは、太陽の好物だった。


「やばい、美味いっ」


太陽はアツアツのポテトグラタンを、あのころと変わらず大きな口で食べてくれる。

お金のなかった私たちは、ジャガイモとホワイトソースしか入っていないグラタンを良く食べた。
だけど、今はエビやホタテだって入れることができる。


そんなことをふと考えると、どれだけ今が恵まれているのか実感することができた。


「あぁー、満足。ごちそうさま」


片づけはできるなんて自信満々の太陽は、私の洗ったお皿を拭いていく。

こんな幸せな時間がずっと続けばいいのに。
けれど、私たちにはしなければならないことがまだあるのだ。



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