* pain *
京ちゃんの部屋には当時、年上の親戚が置いていったんだという

古いアコースティックのギターが転がっていて



チューニングのされていない緩んだその弦が、忍び寄る夕暮れに何だか少し寂しげに見えた。






「弾いてもいい?」






「弾けんの?」






「多分、少しだけなら」






そう答えてギターを抱え、授業で習った覚えたての曲をゆっくりと弾いてみたけれど

Fmのコードで少しもたついた。

< 23 / 119 >

この作品をシェア

pagetop