* pain *
冷たくさえざえとした夜の道を二人乗りで、ゆっくりと駆けている時だった。






見上げる空には星が瞬いていた。




頬や髪に風が冷たかった。



大きな背中が心地よかった。










へへへ、と笑いながら京ちゃんの体をぎゅっと強めに抱き締めると心臓の音が聞こえてきて、




あぁ、生きてるんだなぁ、なんてその時一人で思ったりしていた。






生きてるって、こうやって恋をして、好きな人を抱き締める事をいうんだなぁと、




一人で微笑んでいたあの時の自分が、


今はもう、何十年も昔のことのように思える。
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