光の花は風に吹かれて
研究室ではリアが1冊の本をパラパラと捲っていた。何かを探しているようだ。
「ローズさんのお母様について、何か知っていますか?」
「ローズ様の?」
ページを捲る手を止めないまま、リアがセストに問う。セストは記憶の引き出しを探しながら、自分の椅子へと腰を降ろした。
「前国王が紛争鎮圧に赴いた小さな町で見つけた女性だと記憶していますが……」
ダミアンはかなりの好色家。身分など関係なく気に入った女性には片っ端から手をつけている。側室には元侍女もいるし、たまたま休暇で見つけたような庶民の娘もいる。ローズの母親が特別なわけではないはずだ。
「ヴィル・デ・テネーブラ」
紙の擦れる音が消えて、リアが静かに呟いた。
「えぇ……確か、そんな名前の町だったかと」
「そうですか。だからローズさんは闇人なんですね」
闇人――ルミエール王国内に住んでいた闇属性の呪文を扱う少数民族。だが、今はもうその遺伝子は途絶えたと言われている。
本来優劣のない属性の遺伝は光属性に対して劣。つまり、ルミエール王国で光属性との交わりが多い彼らはどんどんその数を減らしていき、もう“闇属性”として存在する人間はいないはず。
「私も、実際に感じたのは初めてですけど……ローズさんは理論的には光と闇のハーフです。闇属性は光属性に取り込まれると言われてますけど、たぶん表面上の話なんだと思います」
リアが読んでいた本をセストへと手渡してくる。
「ローズさんのお母様について、何か知っていますか?」
「ローズ様の?」
ページを捲る手を止めないまま、リアがセストに問う。セストは記憶の引き出しを探しながら、自分の椅子へと腰を降ろした。
「前国王が紛争鎮圧に赴いた小さな町で見つけた女性だと記憶していますが……」
ダミアンはかなりの好色家。身分など関係なく気に入った女性には片っ端から手をつけている。側室には元侍女もいるし、たまたま休暇で見つけたような庶民の娘もいる。ローズの母親が特別なわけではないはずだ。
「ヴィル・デ・テネーブラ」
紙の擦れる音が消えて、リアが静かに呟いた。
「えぇ……確か、そんな名前の町だったかと」
「そうですか。だからローズさんは闇人なんですね」
闇人――ルミエール王国内に住んでいた闇属性の呪文を扱う少数民族。だが、今はもうその遺伝子は途絶えたと言われている。
本来優劣のない属性の遺伝は光属性に対して劣。つまり、ルミエール王国で光属性との交わりが多い彼らはどんどんその数を減らしていき、もう“闇属性”として存在する人間はいないはず。
「私も、実際に感じたのは初めてですけど……ローズさんは理論的には光と闇のハーフです。闇属性は光属性に取り込まれると言われてますけど、たぶん表面上の話なんだと思います」
リアが読んでいた本をセストへと手渡してくる。