光の花は風に吹かれて
ローズの部屋に入ってきたリアは、やはり扉のところで足を止めた。

セストが頷くとリアの表情が引き締まる。久しく見ていなかった気がする彼女のクラドールとしての顔。

リアはセストと同じようにローズの額からチャクラを感じ取っている。

「どういうことか……おわかりになりますか?」
「……」

ゆっくりと瞼を開けたリアはじっとローズの顔を見て、それからセストへと視線を移してきた。

「解熱の呪文は入れましたか?」
「え……?あ、いえ。原因がイマイチわからなかったので、まだ……」

セストがそう言うと、リアは頷いてセストに背を向けた。

「風邪です。セストさん、解熱の呪文を入れたら研究室に来て下さい。貴女はローズさんの意識が戻ったら水分をたくさんとらせてあげてくださいね。それと、何か食べやすいものを」

セストと侍女に指示を出したリアは足早に部屋を出て行ってしまった。

彼女を引き止め損なったセストは心に疑問を残しながらも、とにかくローズにトラッタメントを施すために呪文を唱えた。

(風邪……?)
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