金色のネコは海を泳ぐ
小さな男の子が“大きくなったらお母さんと結婚する”と言うようなものだと思おう。

そうでなければ、やっていられない。

幼い少年の“好き”の重さが誰か違う女の子に傾いていくように、ジュストの“好き”の天秤に乗ったルーチェも徐々に軽くなっていく。

そうだ。

そうなのだ。

外見だけは年相応に成長しているジュストが言うせいで混乱していたけれど、それだってルーチェが意識し過ぎているだけだ。

ジュストの“好き”は本当の恋を見つけるまでの、短い重さ。

そのことを考えると少し寂しい気もするけれど。

「お母さんって、こんな気持ちなのかも……」

思わず笑ってしまうと、枕元にやってきたジュストが不思議そうにルーチェを見た。

『ルーチェ、嬉しいの?』
「ん……嬉しくて、寂しい、かな……」

そう言ってジュストの頭を撫でてあげたら、ジュストは気持ち良さそうにルーチェの手に頬を摺り寄せた。

もう少しだけ…・・・こんな時間が続けばいいな、と思いながらルーチェはジュストを抱っこしてあげた。
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