金色のネコは海を泳ぐ
「っ……ぅっ……」

ルーチェは口に手を当てて声を押し殺して泣いた。

――「さよなら、しても……悲しくないの?」

悲しくないわけがない。

同じ家にいても、ジュストが“家族”として振舞うだけで寂しくて苦しかったのに。

ジュストが一緒に眠ってくれないだけで、目を閉じることさえうまくできなかったのに。

この家からもジュストが出て行ったら?

一生、会えなくなったら?

ルーチェはどうなってしまうのだろう?

拭っても、拭っても……涙は止まってくれなくて。

泣いたときはいつもジュストが抱き締めてくれたのに、その温もりも……もう、ない。

それが、ルーチェの悲しみに拍車をかけて。

ルーチェは枕に顔を埋めて泣き続けた。

一晩中、ずっと――
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