桜が咲いたら
「さらさ」






ふと、誰かに名前を呼ばれた気がした。






「更紗」






はっとして顔を上げ、声のする方を見やると、

ジャージ姿の武蔵先輩が教室後方の扉からあたしを呼んでいる。









「…先パイ」






驚いて、でもこのどうしようもない震えを止めて欲しくて、

誰の視線も気にせずにあたしは夢中で先輩に駆け寄った。


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