背中ごしの恋
彼氏がいるのに背中で……
乙葉は?と、あの人によく似た声で聞いてくるから、私もと答える。満足げに頷いた恋人の涼介は、んと喉を鳴らして強請るように唇を差し出すから、それに微笑んでキスをした。

――涼介は知らない。
彼を見つめるその先には、別の男の背中があることを。



私は大学の女子寮、涼介は年の離れたお兄さんのマンションで居候しているから、デートは彼の部屋が多い。タイミングなのか、2年近く通っているのに漣さんを初めて目にしたのは3ヵ月前。
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