大人の関係
「美沙」
長野の掠れた声が聞こえる。


ギシッと乾いた音がして長野がこちら側を向く気配を感じた。
だが、美沙は空を見つめたまま。

長野の左手で手首を握られていた美沙の右手は、更に右手でホールドされた。
そのまま長野の方に引き寄せられる。

腕だけを持って行かれたためバランスを崩し、ロッキングチェアは大きく揺れた。
だが長野は気にせず、美沙の手の甲に口づける。

じっと口づけを受けていたが、美沙は急に軽く手を引き半身を起こした。
そのまま長野の顔に寄り添い、頬に自分の頬を合わせる。
美沙の頬が熱い。
その事実に長野も身体が熱くなる。


さらさらと美沙の髪が顔に落ちるのを感じて長野は目を閉じた。
そして握っていた手の力をふっと抜く。
少し首を持ち上げ、顔の横にある美沙の頬にキスをした。

そのまま、顔中にキスを降らせる。
首筋にもいくつも。

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