大人の関係
結局、隣でお寿司を頂くこともなく早々にお暇することになった。
とは言っても、3時間程デザイン決めに時間を費やしたので、外に出ると少し日が傾き始めていた。
名残惜しそうに車まで見送りに来てくれた奈津に手を振る。
長野はそんな美沙を横目に見ながらゆっくりと車を出した。
奈津の姿が見えなくなると、美沙の手を握る。
「ちょっと早いけど、食事に行こうか」
「じゃあ、隣で食べてもよかったんじゃないですか?」
「ナツに美沙を取られそうで」
苦々しげに呟く長野を見て、美沙はつい笑ってしまった。
確かに奈津は美沙の事をかなり気に入った様子。
長野が部屋に戻って来てからも、ずっと美沙の隣に座り話をしていた。
こんな風に言う長野を見るのは初めてで、つい甘えたくなる。
「戻りませんか。・・・二人きりになりたいです」