Last flower【執筆中】
「うーん」

象の滑り台に寄りかかりながら、スイムは「ミノル、死んじゃったでしョ」

と少し唐突に言った。

カスカはドキっとした。「うん」

「あのさぁ、その前の日にイェーイェーといつもみたいにままごとやってる

ミノルのさぁ、首から上が俺には見えなかったんだ」

「え?それって…」

どういうこと?激しくなる鼓動を必死で抑えながらカスカは尋ねた。

「もう、首から上だけあっちの世界に行っちゃってたんだろうなぁ。

俺、ここに入る前に『お隣のおばちゃんの顔がない』とか騒いで

親に怒られたりしたんだけど、その翌日にそのおばちゃん事故で死んじゃっ

たんだよ」

「………」

スイムは、目の前に立っているカスカの足が震えていることに気づいた。

「…やっぱよしておこうか、この話」

力なく、笑った。悲しげに。

うーん、と伸びをしたスイムにカスカは

「……つらいね」

と言った。

「ん?何が?」

「そういうの…わかっちゃうのってきっとすごくつらいよね、スイム。

ずっとつらいんだろうね」

「………」

「チャルのことは?…今、どんなふうに見えてるの?教えて。

知っておきたいから」
< 24 / 63 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop