恋の訪れ

思わずあたしまでもが茫然とする中、お姉ちゃんは深くため息を捨ててあたしから遠ざかった。

そう。面倒くさそうに。


だから。

ガタン…と椅子の音を大きく立てたあたしは外に出て行ったお姉ちゃんを思わず追いかけた。


「ちょ、待って!」


そうお姉ちゃんの背後に叫んだ瞬間、お姉ちゃんの足がピタリと止まる。


「何よ」

「お、お姉ちゃん…」


言葉が上手くでない。

お姉ちゃん、昴先輩が好きなの?

それに昴先輩もお姉ちゃんが?


「ってかアンタ、こんな所で話さないでよ。アンタと姉妹だなんてバレたらホント恥ずかしい」

「なによ、それ…」


思わず頬を膨らませたあたしにお姉ちゃんは小さく息を吐き捨てた。


「…ってのは冗談だけど。勘違いしないでよね、さっきのは冗談だから」

「じょ、冗談って?」

「好きって話し」

「…え、そうなの?」

「なんであたしがあの男を好きにならなきゃいけないのよ…」

「え、でもさっき…」


それに昴先輩とお姉ちゃん、よく話してるでしょ?

なんて言葉はさすがに言えなかった。


「あー言ったら、あんたに近づかないでしょ…。あんな事でストレス溜めて、耳痛いって言われたらあたしまでもが被害者だわ」

「ごめん。…ありがとう。でも、いいの?勝手にあんな事言って」

「別にいいんじゃない?悪いのはあの男でしょ!」

「……」


あの男って昴先輩の事、だよね?
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