恋の訪れ
「どーせ自分が悪いと思ってたらなんとかするでしょ…」
「お姉ちゃんって、昴先輩と…」
そこから何故か言えなかった。
でもお姉ちゃんは呆れた表情であたしを見つめると、
「アンタさ、どこまで鈍感なわけ?なんで分かんないの?」
そう言ってため息を吐き出した。
「え、何が?」
「もういいわ。アンタと話してたらこっちまでおかしくなりそうだから、行くわ」
カツカツとヒールの音をたてて歩いて行くお姉ちゃんの背後を茫然と見つめてしまった。
それにしても、あたしと居たらおかしくなりそうって、なに?
ほんと、お姉ちゃんって偉そう…
食堂の中に入ると案の定、変な空気が漂う中、周りの視線があたしに向くと思えばすぐに逸らされる。
こー言う空気、ホントに嫌。
しかも、こんな時に限って、あの昴先輩は居ない。
あの先輩の所為で、あたしは…
「ちょ、莉音、大丈夫?」
「……」
真理子は手にサンドイッチを持ったまま、あたしの肩に手を添え顔を覗き込んだ。
「莉音もほんと災難よね!弘晃の女にも言われるし…」
「……」
ほんとに、そう…
「でも今回は良かったんじゃない?香恋さんが助けてくれたしさ、」
「…うん」
「でもほんと香恋さん美人すぎ!男が寄り付くのは無理ないわね。で、ところで昴先輩が好きってマジなの?」
真理子は少し興奮気味であたしに視線を合わせる。