恋の訪れ
「最近よく一緒に居る所みるんだけどさぁー、ちょっと話されたくらいでいい気にしてんじゃねーよ!」
「別にあたしから話してるわけじゃないですし…」
ホントの事を言った。
だって、ほんとなんだもん。
嘘はついてない。なのに女の先輩の表情はさっきよりも険しくなった。
「はぁ!?だったら何?あたしから話さなくても昴から近づいてくれるし!なんて思ってるわけ?」
「……」
「そんな訳ないでしょ!あんた遊ばれてるのも分かんない訳?ほんっとウザいん――…」
「悪いけど、遊ばれてるのはどっちなのかな?」
先輩の声を遮って、ツンとした口調で割り込んできた人に思わず目が見開いてしまった。
だって、そこに居たのはお姉ちゃんで――…
「…か、香恋、さんっ…」
先輩の後ろに居た友達二人だろうか、目を見開いたまま顔を強張らせていた。
お姉ちゃんを見ただけで表情を崩すなんて、お姉ちゃんっていったい…なんなの?
相変わらず派手な格好で、香水の匂いを漂わせてるお姉ちゃんの表情は悪くて…
「あなた達に昴がどーのこーのって言われたくないのはあたしの方なんだけど」
「えっ…」
「この子に言った言葉、全てアンタ達に返すわ」
「……」
「悪いけど、あたしも昴が好きなの。だからあたしからすればアンタ達が目障りなんだけど!」
…え、今なんて?
お姉ちゃんは、何て言ったの?
「えっ…」
「ちょ、もう行こうよ」
小さく聞こえてくる先輩達の声。
お姉ちゃんが見つめる迫力に先輩達は目を泳がしながらこの場を離れて行く。
もちろん、周りの空気だって冷たい…