恋の訪れ

「…真理子、ごめん。あたし今日は帰る」

「え、ちょっ、莉音?」

「今度ゆっくり話しするから」

「え、莉音ってば!」


背後から聞こえる叫んだ声に、あたしは食堂を出る。

ほんとにこんな時に限って昴先輩の姿が見えない。


もし居たら一発文句でも言ってやろうかと思ったのに。


お姉ちゃんが居たから逃れたけど、でも正直腹が立つ。

なんであたしが言われなきゃいけないんだって。


あたしから別に話してるんじゃない。

話してるのはあっち。


ヒロくんだって、そうでしょ?

敢えてあたしから話すような行動はとってないじゃん。


教室から鞄を持ち学校を出る。

体調不良を理由にすぐに帰れたけど、このままじゃ本当に体調不良になりそうだ。


そのまま家に帰宅してリビングに入った瞬間、


「あれ?莉音どうしたの?」


不意に聞こえたママの声に顔を向けた。


「あ、ママ居たの?」

「今日は休みって言ったでしょ?」

「そうだっけ」

「そうだっけって、何よ…」


そのあたし達のやり取りにクスクスと笑みを漏らすもう一人の女の人と目が合った。

なに、この物凄く綺麗な人…


「こんにちは」


そう言って笑顔で挨拶をされ、「こんにちは」同じように頭を下げる。

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