恋の訪れ

「で、莉音どうしたの?やっぱり体調悪かったの?」


ママは心配そうにあたしの隣に来て顔を覗き込む。


「うん、ちょっと…」

「もう少し身体休めた方がいいわね」

「…うん」

「大丈夫?莉音ちゃん…」


不意に聞こえた女の人に、「あ、はい」とだけ、小さく口にする。


「莉音ちゃん、凄い綺麗になってるからビックリしちゃった」

「え?」

「あー、覚えてないか。よく小さい時、家族ぐるみの中で遊んだんだよー」

「あっ、」


もしかして。

ママの友達の…


「思い出した?あの頃楽しかったなー…」

「そうだね」


そう言ってママは懐かしそうに笑みを漏らした。


「あ、そうだ。この前ね香恋ちゃんに出会ったけど諒ちゃんに似てるね」

「そう?」

「小さい時は葵にそっくりだったけど、諒ちゃん似かな。美人さん」

「それが性格まで似ちゃってね…最近偉そうなのよ」

「えー、そうなの?」

「しかもいつの間にかあんな派手になってね。諒也も何も言わないからさ」


はぁ…とため息をついたママに友達はクスクス笑ってた。


「でもさ、香恋ちゃんって小さい時から翔にゾッコンだったよね」

「そうだよねーって、この前さ、香恋が繁華街で物凄くダンディーな男の人と歩いてるって見てたら翔さんだったんだけど…もうビックリした」

「あー、なんか言ってたね。葵が凄い驚いてて彼氏かと思ったって言ってたから」

「そうだよ!たまたま出会ってお茶してたらしいけど」

「もうほんとあの人、香恋ちゃんにデレデレだったから」

「そうだったね…」


ママの友達はもう苦笑いしかないって感じで口に出してた。

それにしてもお姉ちゃんっていったいなんなの…


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