恋の訪れ
「ちょ、真理子っ!」
「なんなの、あいつら!ムカツクー!!」
「……」
「そもそも莉音の所為じゃん」
「…え、あたし?」
いきなり振られた所為で、思わず唖然とする。
「そうよ!元はと言えば莉音が弘晃と話すからでしょ!」
「だって…」
「だってじゃない!弘晃と話す時、いつもデレデレしてるでしょ!?」
「デレデレって…」
「分かってんの!?」
「……」
ドンっと勢い余り、壁に背を付けさせられる。
こ、怖いよ、真理子…
どーしたの?
「弘晃は、あー言う馬鹿見たいな女が好きなの!莉音じゃない!あんな皮肉な女が好きなの!なのになんで莉音は分かんないの?さっさと辞めちゃいなよ!!」
「ま、真理子…」
ちょっと落ち着いて。なんて言えるわけもなく、眉を顰めてる真理子は相当に怒ってる。
あたしの所為だなんて言われても…
でも、だってヒロ君の事はずっとずっと好きだったんだもん。
好きだから話したいって、そう思うのが普通でしょ?
違うの?
「…なに?仲間割れ?」
不意に聞こえた声に視線を向けると、不思議そうに見つめてるサクヤ先輩が居た。