かわいい王子VS鈍感な姫
「郁!何だ?」
俺は笑顔で聞いた。
「ななちゃん、なんかいいことあったでしょ~?」
「へ!?いいこと!?」
なんでわかんの!?
「ななちゃんのいいこと、郁にも教えて!」
「郁…俺な?身長伸びた!今、成長期らしい!」
俺がそう言うと郁はまじまじと俺を見た。
「本当だ!よかったね!郁、ななちゃんの顔見ればいいことあったなぁとかわかるよ♪」
顔見ればわかる…?
そういえば柳川先生もそう言ってたよな…?
それに良平も『見てたらわかる』って…。
俺ってやっぱり顔に出やすいのかな?
「郁?俺って顔に出やすい?」
不思議に思ったことを聞いた。
「ん~。出やすいっていうか…何だろう。…郁はななちゃんの幼なじみだからわかるのかも!」
幼なじみだからわかる…かぁ…。
なら…なんで俺の気持ちには気付かないんだ…?